雇用形態はいわゆる勤務形態のことです。正社員、契約社員、派遣、パート、アルバイトなどがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
就職と聞いて多くの人が思い浮かべるのが「正社員」でしょう。正社員は社会保険や厚生年金に加入でき、安定性が高いのが特徴です。介護福祉士が正社員として働く場合、月収は20万円~25万円程度です。残業や夜勤などがあれば変動しますが、年収に換算すると約300万円~370万円程度となります。
契約社員は雇用期間の定めのある「有期労働契約」を締結した従業員のことです。すべての雇用条件において、パート以上正社員未満です。違いが一番わかりやすいのは給与です。月給に換算すると契約社員は正社員より2~3万円少ない金額ですが、短時間勤務ではないためパートよりも多くなります。介護施設で働く契約社員は最長で3年の有期雇用となります。その期間内に各事業所が契約期間を定め、双方が合意すれば契約期間満了時に更新することも可能です。
派遣は契約の延長や解除などの条件は派遣会社と介護施設などの派遣元が協議し、労働者は派遣会社から紹介された職場で仕事を行う雇用形態のことです。雇用契約は派遣会社と結んでいるため、責任の重い仕事を任されることはなく、単独で行動することはありません。
パートやアルバイトは非正規雇用の代表格です。一般の職員よりも所定の労働時間が短いのが特徴です。社会保険や年金などの心配はありますが、家事や子育て、介護と両立しなければならずフルタイムで働くことが難しい人に歓迎されている働き方です。
介護業界で最も多い雇用形態はパートやアルバイトなどの非正規雇用です。特に現場で実務に当たっている人がそうで、正社員は管理職や一部の内勤者に多いようです。
介護労働安定センターの調査によると、介護施設で働く介護職の約4割が非正規雇用者で、訪問介護の場合はもっと多く8割近くにのぼっています。これほど非正規雇用の割合が高い業界は他にありません。家庭の事情などで正社員とは異なる働き方を考えている人には最適な業界といえるでしょう。
介護業界に非正規社員が多い理由は、人手不足が慢性化しているからです。介護業界は一昔前までは低賃金・長時間労働が当たり前だったため希望者が少なく、多くの施設で人手不足に悩んでいました。かなり改善されたとはいえ、全職種の正社員の平均年収と比べてみてもまだ下回っており、希望者も少ない状態です。しかし、その一方で高齢化は進み、介護のニーズは年々高まっています。このような状況では、人手不足の問題解消にはまだ時間がかかることが考えられます。そのため、少しでも人手不足を解消するために、短時間で勤務する非正規雇用を歓迎する傾向があります。